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iBasso DX160 ver.2020をレビュー! M3Xとの比較メイン、音は好みの差です

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バカ売れした高性能DAP、DX160

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M3X(左)とDX160(右)。

2019年にDX160(無印)として発売され、その後SHARPフルHDディスプレイの供給が難しくなった影響で2020年にDX160 ver.2020としてジャパンディスプレイの液晶を使い再発売されたDX160のレビューです。

私は関連記事にもあるように、先日Shanling M3Xを購入しました。

 

hakuukazuo.hatenablog.com

 ただ、当然ですがどちらにするか購入前に相当悩みました。

そりゃ当然ですよね。価格帯が約3.8万円と約4万円でほぼ同じなんですから。
事実私もほんの少しの期間DX160を買おうかなと思っていた時もありました。

結局新し物好きなのとバッテリー持ちの良さに惹かれてM3Xを選択したのですが、以前から各所で絶賛されているDX160の性能はどうなのか? M3Xと比較するとどこが優れているのか? そして、自分がM3Xを選択したのは正しかったのか?

という事が気になったので、ONZOさんでレンタルし徹底的に比較する事にしました。

 

DX160の魅力とは?

では、DX160の魅力とは何でしょうか?
まとめるとこんな感じです。

 

Cirrus Logic社のCS43198QFNを2機搭載

・USB-PDとQC対応の急速充電により1.5時間で充電完了、最大12時間の連続再生

・3.5mmシングルエンドと4.4㎜バランス出力を両方搭載!

DSD、MQAの再生にも対応

・android8.1でアプリのダウンロード可能、サブスクも
使用可! 

ジャパンディスプレイ製1080P Full HD 全面ディスプレイ

・価格はなんと39,820円!

見た感じはやはりM3Xに似ています。(この記事は比較しやすいように全体的な項目はほぼ同じにしてあります)

となるとM3Xとの違いで重要なのは細かい使い心地や音質についてでしょう。
その点を詳しくレビューしたいと思います。

開封・デザインについて

 

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外箱はDX160の方がカッコイイと思います

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箱の構成もDX160の方が豪華かな

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内容物。本当はフィルムが2枚付属です。ケース付は嬉しい!

 パッケージはDX160の方が個人的にはカッコイイですね、箱も横から開くタイプなので高級感があると思います。
M3Xはどうもパッケージからは中華感だったり電化製品感があると感じます。

内容物は

・説明書 ・保護フィルム(2枚,レンタルのため貼り付け済)・USB-TYPECケーブル
TPU製ケース

M3Xとの大きな差はやはりTPUケースの付属でしょう。最初から付属なのはかなり嬉しいです。

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ケースの比較

ただM3Xの別売のケースと比べると若干薄いですね。
装着すれば気になりませんが、気になる方はいらっしゃるかもしれません。

一応M3Xのケースと同じ会社が作っているケースのAmazonリンクを貼りますが、上下が大きく空いている仕様なのでおすすめはできません。

 

 

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DX160はスマホっぽい

デザイン的にはM8のミニ版のというコンセプトに対しDX160はスマホライクなデザインです。色もカラフルですし。

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サイド

サイドの比較です。M3Xは若干凹んでいます。
ボタンの大きさはM3Xの方が大きいので押しやすいと思います。
ボリュームはDX160の方が軽くて回しやすい感じでした。

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底面。M3XはUSB端子、DX160はイヤホンジャック

底面に関しては大きく変わりM3XはUSB端子、DX160はイヤホンジャックとなっています。私はイヤホンジャックはスマホと同じな上面派ですが、底面派である方もいらっしゃると思うのでここは好みですね。決め手の一つかもしれません。

DAP自体の持ちやすさに関しては同じくらいです。確かに横幅自体はDX160の方が狭いですが、M3Xの利点である横の凹みがあるため、感覚的には同じくらいに感じます。
縦幅はM3Xの方が短いです。ただそこまで大きくは変わらないので気にしなくて良いと思います。

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液晶はDX160が見やすいです

液晶に関しては当然DX160の方が大きい(M3X:720P、DX160:1060P)ので、圧倒的に使いやすいです。画面の大きさを重視する方は圧倒的にDX160がおすすめです。
液晶のクオリティに関しては差はそこまで感じませんでした。強いて言えばM3Xの方が若干細かい所まで綺麗に感じた気がするくらいです。

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youtubeの動画もDX160の方が視認性が高い

見て頂ければ分かりますが、意外とM3Xはベゼルが太いので思ったより液晶が大きくないです。その点DX160はベゼルが細いので液晶が見た目通りに大きいです。

 

これは多分僕だけが気になっている事だとは思うのですが、DX160は電源ボタンが上面にあるので押すのがめんどくさいです。その上大きさも小さめで少し押しづらい。

ボリュームが壊れると電源が入らなくなるリスクもありますが、ボリューム一体型の電源ボタンのM3Xの方が面倒くさくなく便利だと感じました。

 

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拡張性について

DX160もこの価格帯のandroid搭載DAPではそこまでは多くない4.4mmバランス接続の搭載、SDカードが2TBまで対応など、(現在は1TBまでしか発売されていませんが)拡張性は十分だと思います。
(正直2.5mmバランスも幅的に搭載出来る気もしますが、まぁ差別化でしょうね)

しかしM3Xとの差が一つあり、それはandroidバージョンが8.1である事です。
バージョンの差は1とそこまで大きな差では無さそうですが、実は大きな差であり
1違うとアプリの動作対応などが3~4年差が出る可能性があります。
そのためネット上ではandroidバージョンの差からDX160を選択している方もいます。
私個人的にはM3X発売元のShanlingが「まぁそう簡単に開発も7のサポート打ち切らんやろ、打ち切られたらアプリ開発と個別交渉するわ」(※要約、head-fiのM3Xフォーラムより)
と楽観視しているため、そこまで心配する必要は無いとは思いますが。
ただ心配な方はDX160をおすすめします。

 

バッテリー持ちについて

 

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バッテリー持ちは普通

バッテリー持ちはM3Xが凄すぎる、またそれを売りにしているだけあってDX160はさすがに劣ります。
残り60%で約1日12時間と、普通のスマートフォンと同程度のバッテリー持ちです。
ただDX160は残り20%くらいでスリープモードにすると次の日使おうとした時充電が切れている事があったのでスリープモードでの運用は向いていないかもしれません。
事実、画像を見れば分かりますが24時間で40%減っていますしね。
再生中のバッテリー消費は同じくらいでした。

しかしDX160も悪い事ばかりではありません。M3Xよりも優れている点もあります。
それはQC3.0, PD2.0, MTK PE+ の三つの急速充電規格に対応している事です。
M3Xでは対応していないため、充電速度はそこまで早くはありませんが
DX160では対応しているため充電速度が明らかに早いです。画像にもありますように、56%から100%まで26分という早さです。

ただ、充電速度の速さが求められるスマートフォンに比べバッテリー寿命の長さが重視されるDAPに急速充電が必要かと言われるとそうでない気もします...

音質について

音質については一部主観やイヤホンとの相性が入ってしまう、また抽象的な表現となる事をご了承ください。

スペック的には先ほど紹介した通り、Cirrus Logic社のフラグシップDACチップの一つ、「CS43198QFN」をデュアルで搭載しています。
これはなんとチップ的には発売当時10万円だったAstell&Kern A&norma SR15と同じチップを搭載しています。(当然、アンプが違うため音は異なります。)

音に関してはDX160に関してはM3Xと比べてパワフルというか、力強い音だなと感じました。全体的に音がまとまっていると言うか、ガッとドッシリと来る感じなんですよね。
ボーカルも綺麗というより音全体的が力強く聞こえました。
対してM3Xは音同士の分離感が良く、1つ1つの楽器が分かれているスッキリとした音と感じました。ボーカルやメロディはM3Xの方が明らかに解像感が高く綺麗です。高音域に力を入れたのかなぁとは思いました。
またDX160はドンシャリ気味でドラムなどが明らかに強調されている気もしました。

 

ここからは差を感じた曲を紹介します。

open.spotify.com

この曲は楽器の構成がシンプルなため、差が分かりやすかったです。
DX160ではパワフルな音らしくギターの音が強調されて聞こえました。ギターの音がボーカルよりも前に来ていましたね。また、音のまとまりも上でした。
M3Xは全体的にパワフルではなく綺麗な音だと思いました。分離感の良さからでしょうか。またボーカルもギターより前で一番前に来ていると感じました。

 

 

open.spotify.com

YMOの傑作アルバム、テクノデリックから「後奏(epilogue)」。
この曲もシンプルな構成なのですが、ドラムの代わりに工場で収録されたプレス音が使用されています。
この曲もM3Xではプレス音はあまり強調されずに軽めに響き、またメロディは綺麗に聞こえる感じでした。
対してDX160では、メロディはM3Xほどまでは綺麗に聞こえないでドラムの音がズシン、ガシャンと重く響いていく感じでした。

 

また、ヘッドホンの音質に関してはDX160の方が圧倒的に音が良いと感じました。
これはやはり様々な所で言われているような出力の高さのお陰でしょう。
ただM3Xも悪い訳では決してありませんでした。ここも好みだと思います。

バランス接続と非バランス接続での差ですが、M3Xは「バランス接続」という接続方法の違いでは無い露骨な音質の向上がありましたが、DX160はそこまで差は感じませんでした。非バランス接続でも出力が高いお陰でしょうか?
バランス接続と非バランス接続の音質に関しては同じくらいですね。

ここまで色々と音質の差を書きましたが、正直どちらか片方が明らかに音質で優位であるとは言えない感じでした。好みの差です。
ただ好みの差ではありますが、ここまで色々書けるような差は確実にあるので、出来れば事前に試聴して購入する事をおすすめします。試聴が出来る店が無い方も私のようにONZOさんでレンタルすれば比較する事が出来るので、ぜひぜひ一度試聴してみて下さい。

操作性について

操作性は正直M3Xとあまり変わらないと感じました。
強いて言えばDX160は若干もっさりする場面がありましたが、そこまで大きくは変わりませんでした。
DAPとしての操作性ですが、基本はandroidなのでiPhoneを使っている方は
難解かもしれません。
ただDX160もM3Xと同様に、情報が少なくはないのでしっかりと調べれば情報が出てくるのではないのでしょうか。
(正直色々と調べない方・動作の不安定さに耐えられない方は中華DAPを使うべきでは無いです。使いやすくサポートやレビューが豊富なウォークマンを使った方が良いです。)

付属ソフト

こちらもM3Xと同様、謎の中華アプリがいくつか入っていますが
アンインストールできるので問題ありません。
またGoogle play開発者サービスも最初から入っているため
簡単にplayストアも入れられます。
こちらの導入手順は様々な他サイト様で解説していらっしゃるので見てみてください。

(最初はApkpureからapkインストールする必要があります。)

音楽再生ソフトについてですが、DX160にはmango playerが標準搭載となっています。
M3XではUIがまぁまぁで痒い所に手が届かない感がありましたが、
逆にDX160は設定が細かいのに対してUIが使いづらい感じです。
対極イコライザーの設定などの様々な設定があるのは良いんですが、逆にUIが見づらい上に若干もっさりするというshanling純正アプリの対極みたいな感じです。

やはりM3Xと同様に私はUAPP(USB Audio Player PRO)を使用していました。シンプルなUIで動作も良く愛用しています。(有料・800円です)
特にDX160はシンプルなUIだと画面が大きいので使いやすいです。

 

BluetoothWifi接続強度について

ここもDX160を語る上で重要なポイントであるBluetoothWifi接続強度についてです。
Wifi接続強度はM3Xとそこまで大きくは変わらないかなと感じました。
どちらも同じくらいのダウンロード速度だと思いました。

さて、ネットでの評判が非常に悪いBluetoothについてですが...

確かに、正直使い物になりませんでした。

M3Xでは家電量販店に行った時に一回オーディオコーナーでブチっと音が切れてしまいましたが、DX160はどの階でもずっとブチブチ途切れてしまっていました。
特に驚いたのはポケットの中でDX160を持って少し動かしただけで途切れてしまった事。
ここまで悪いといっそのこと付けない方がマシだったのではないかとさえ思います。
当然家電量販店以外の何もない場所でも数回途切れてしまいました。

Bluetooth強度はこの様に酷い有様なのでさらに厳しい条件の電車の中ではどうにもならないでしょう。
Bluetoothを使う方は絶対にM3Xです。

 

Bluetoothジーバー・USB-DACについて

最近のandroidDAPでは定番になった、BluetoothレシーバーモードとUSB-DACモードです。
BluetoothレシーバーモードはM3Xと同様にLDACにも対応しています!
接続元機器も対応している必要もあるので、ほぼandroidスマホのみに限られますが
比較的スマホ内のファイルを再生するのと遜色ない音と再生できます。
ただ音楽を再生するならDX160内にファイルを移して再生すれば良いので
個人的には必要性があまり感じられないですね。どう活用しましょうか?

USB-DACモードはM3Xが安定しなさすぎるだけでDX160は普通に安定します。
問題ありません。USB-DACモードを多用する方はDX160の方が良いです。

 

まとめ 結局、どちらが良いか?

さて、ここまで長々と感想を書いてきましたが結局はどちらが良いのでしょう?

私は基本的にはM3Xをおすすめしたいと思います。

理由はやはり圧倒的なバッテリー持ちの良さ、そして音同士の分離感が良く解像度が高い音が非常にクオリティが高いからです。

ただM3Xにも欠点もあります。USB-DACモードのフリーズ問題、画面の大きさなどなど。
前述の通りどちらかに圧倒的な音質な差は無いので、どちらか自分の使い方に合った商品を購入するのが幸せになれると思います。

一応どのような方に向いているか示すとこの通りです。

Shanling M3X

・音同士の分離感が良く、解像度が高いメロディ寄りの音が好き

・バッテリー持ちの良さを重視する

BluetoothDAPで使おうと考えている

ibasso audio DX160

・音同士のまとまりが良く、ドンシャリ寄りなパワフルな音が好き

・液晶が多く、見やすい方が良い

・USB-DACを多用する傾向にある

・ヘッドホンを多用する

・中古で買う事を検討したい

こんな感じです。

ただ音質の所でも言いましたが、出来れば事前に試聴して購入する事をおすすめします。試聴が出来る店が無い方も私のようにONZOさんでレンタルすれば比較する事が出来るので、ぜひぜひ一度試聴してみて下さい。

まだ、DX160が残念ながら昨今の半導体不足で終売が発表されましたので、今後は中古のみになってしまうと予想されます。玉数は多いので中古が枯渇する事は考えにくい(ただ人気があるので分かりません)ですが、新品が欲しい方はお早めに。
amazonでは新品が無くなりました。(ボッタクリを除く)
フジヤエービックや一部の店では新品が残っています。
中古では25000円前後が相場です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同価格帯のM3Xのレビューです 

hakuukazuo.hatenablog.com

 

 M3Xと同スペックのUP5の情報の記事です

hakuukazuo.hatenablog.com

 

 

この記事は以上です、ご覧いただきありがとうございます。