500円以下激安中華イヤホン、TRN MT1を購入してレビューしてみた
スポンサーリンク
スポンサーリンク
ノーブランドでは無いのにまさかの1DDで300円台のイヤホン!!
私はイヤホンマニアである為、イヤホンの情報を積極的に収集しています。
そんな中ある日こんなニュースが入ってきました。
「TRN MT1が2個で848円で売っているぞ!」
正直耳を疑いました。1個848円でも十分安い価格ですが、2個で848円?
早速ページを見てみると本当でした。流石に安すぎます。
更にクーポンを適用したため678円、339円で購入可能でした。
実は最近1DD激安イヤホンが流行っており(後述)、興味が出てきていたので早速購入する事にしてみました。
TRNとは?
正直言って謎のメーカーです。
色々情報を集めてはいるんですが、一切情報が出てきません。
理由は日本語ホームページどころか中国語ホームページも無い為です。
当然WeiboやTwitter等のSNSアカウントもありません。
このような状況なので断片的な情報のみしかなく、それらを複合すると
・2017年末に突如登場したメーカーである。
・現時点では高額な商品は発売せず、主に1万円以下の商品を販売している。
・最大手中華メーカー、KZと資本提携を結んでいる。
・中華イヤホン界隈ではそこそこの頻度で名前を見かける。有名。
という事が言えます。
これらの事から、正直謎なメーカーではありますが、それなりに信用できる
メーカーだとは思います。
なお、アリエクスプレスの公式ショップの紹介欄には、
TRNは、HI-FI(ハイフィデリティ)ヘッドフォン、スポーツ用Bluetoothヘッドフォン、TWS Bluetoothヘッドフォン、および関連分野のハイテク企業に従事しています。現在では、独立したブランド製品、ODM、OEMの集合体となっています。すべてのTRN製品は、その製品が最高のパフォーマンスと耐久性を持っていることを保証するために、ヘッドフォンの愛好家が開発プロセスに関わっています。(Deepl翻訳)
まぁ、そうっすねとしか言いようがありません、もう少し具体的な情報が欲しいです。
低価格中華イヤホンブーム
KZの登場で活発になった中華イヤホン市場ですが、中華イヤホンの王者、KZ ZSTが登場し市場を席巻した数年前は1000円台が低価格帯の目安の金額でした。
ただ近年は2000円台が相場になりつつあります。後継機のZST Xは2500円で、イヤホンが欲しい方がぱっと気軽に買える金額では無くなってしまいました。
そこで中華イヤホンメーカーが目を付けたのが1DD(ダイナミックドライバー1機)によるイヤホンでした。
中華イヤホンは1DD+1BA(1ダイナミックドライバー+1バランスドアーマチュアドライバー)のハイブリッド型が主流でしたが、敢えてBAを外し1DD一機で勝負する事で超低価格帯で販売しようという流れです。
この流れを産み出したのもやはりKZ。AliExpressで800円程度のEDXを発売し、各レビューでは格安ながら絶賛されました。
その流れで競合他社のccaもCA1、KBEARもKS1を投入。また先日KZがEDXの上位モデル、EDX proを発表、発売するなど、更に競争が激しくなっている現状です。
ハイブリッド型イヤホンはBAとDDの音域の違いをどうチューニングするかがポイントですが、1DDは各音域のバランスがポイントになります。
MT1はどんな音が出るんでしょうか?
MT1について
さて、前置きが長くなってしまい申し訳ないのですが、本題に入りたいと思います。
MT1はTRN社が3月に発売した1DDイヤホンです。
ダイナミックドライバーには直径10mmのシリコン結晶複合バイオセルロース振動板を搭載。激安イヤホンなのでそこまで技術的アピールポイントは無いですね。
価格はAmazonが1600円。Aliexpressが通常では900円程度になります。
冒頭の2個セットでだと1110円前後です。
Aliexpressの方が半額近く安いですが、中華通販サイトであるため配送に時間がかかりますし、何らかのトラブルが起こる可能性もあります。
不安な方はAmazonでの購入を推奨します。
私のAliexpressでの購入時はサマーセールだったのでかなり値引きされました。
少しでも安く購入したい方はセール時の購入がおすすめです。
パッケージについて
箱は本体の画像がプリントされているデザイン。MT1という商品名が強調されています。
裏面にはスペックが書かれており、商品紹介などは特にありません。
中華通販のお馴染みのボコボコになっている箱ですね。もう慣れましたw
スリーブを外し、開封するとこの様になります。
同梱物は
・ケーブル ・イヤーピース3ペア(S,M,L) ・説明書
とシンプルです。必要最低限の内容ですね。
本体、ケーブルについて
本体はハウジングが樹脂製、ステムがアルミ合金製となっています。
このMT1はデザインが秀逸ですよね。そこまで安っぽさを感じないクリアグリーンのハウジングで好みです。
ビルドクオリティも良好で、つなぎ目もあまり目立ちません。
ケーブルは4芯銅線。低価格イヤホンであるためクオリティが特段高い訳ではありませんが、作りはしっかりしておりそれなりの印象。
予算があればリケーブルした方が良いのでしょうが、そのままでも聞けるとは思います。
イヤーピースはKZのペラペラで使い物にならないのよりもマシですが、中華イヤホンはイヤーピースが微妙なのでできれば交換した方が良いですね。
私は愛用しているAET07に交換して使用しています。
音質について
音質についてはドンシャリ傾向ですが比較的聞きやすい印象。
高音域はそこまで伸びは無く刺さりません。金属的な感じも無くスッキリしており解像度も高すぎずとにかく聞きやすいですね。
中音域も特に特筆すべきポイントも無く、癖のないクリアでスッキリとした音です。
ただ後述しますが、やはり1BA+1DDのハイブリッドイヤホンと比べると中音域の解像度は明らかに劣りますね。
低音域はある程度の量感や芯はありますが一切ズンズン鳴る感じ、沈み込みは無くポン、ポンとなる感じです。低音域に重量感を求める方は向かないと感じます。
(Crinale.comより引用。:https://crinacle.com/graphs/iems/graphtool/?share=Harman_IE_2019_v2_Target,MT1)
F特を見ると、2k~5kがかなり強調されていつ事が見て取れます。
聞いている印象でもまさにその通りで、ボーカルの声がかなりはっきりしていて聞きやすい印象。また、8kやそれ以降のdbが小さめの部類に入るため、刺さりがほとんど無いようです。
総評すると、比較的ドンシャリ傾向でありながら低音域の重量感はあまりなく控えめ、高音域も刺さらずに適度に伸びる、スッキリと聞きやすい音が好みの方にはおすすめです。
逆に音に重量感や、高音域の伸び、また低音域の量感を重視する、いわゆる「濃い音」が好きな方には向かないと感じます。その様な音傾向が好きな方はKZ EDXの方が良いかもしれません。
1BA+1DDのハイブリッドイヤホンと比較して
1DDイヤホンシリーズは1BA+1DDのイヤホンからBAを抜いてチューニングしたものと良く言われますので、比較したいと思います。
使用するイヤホンはSound goods SE01(KZ ZSTのOEM)です。
比較して目立つのはやはり中高音域の圧倒的な解像度の違いです。これがBAの威力でしょうね。音がMT1より伸びやかに、また鮮明に聞こえます。
また低音の量感や解像度もSE01の方が上ですね。ただSE01は比較的低音が控えめなのであまりMT1と音圧的な差は感じませんでした。
ただMT1の方が悪いという訳は無く、SE01よりMT1の方が音のまとまりと言いますか、解像度が低い代わりに音がしっかりとまとまって出てくる感じなんですよね。
SE01は解像度が高く、音の分離が良い。MT1は音の解像度は劣りますが、1DD一発ならではの音のまとまりや一体感を感じます。
正直どちらが良いとははっきり言えません。ただ2000円台のSE01に比べ、1000円以下のMT1が比較できるレベルにある事は凄い事だとは感じます。
総評
今回は激安中華イヤホンのMT1のレビューでした。
Aliexpressではセール時で1個424円と500円以下で買えるイヤホンながら、スッキリとしたクオリティの高い音を出す良質なイヤホンだと感じます。
アマゾンでも1600円で購入可能なので、イヤホンマニアの方のサブイヤホンとして、中華イヤホンの入門とどちらでもおすすめできるイヤホンではないでしょうか。
どちらの場合でも値段以上の音が出てくると驚くこと間違いなしです。すくなくとも私は100均や国内メーカー製よりはこちらをおすすめします。
この記事は以上です、ご覧いただきありがとうございます!